私に愛を教えてよ





莉央は得意げな顔になると、宙を見つめながら話し始める。




「些細な言動で一喜一憂しちゃったり、四六時中頭から離れなくて何も手につかなくなったり、傍にいるだけでドキドキしちゃったり。」




まるで最近の私を言語化してるように当てはまっていく。




「琉依は思い当たる相手いる?」




そっか。好きになるのが怖くて逃げてたんだ。


最後のピースがパチンッとはまり、私のパズルは完成した。


もう認めるよ。


私はいつからか実糸くんのことが好きになってたんだ。


近付くと自分を保てなくなるのも、離れるとどうしようもないくらい寂しくなるのも、全部全部実糸くんだけ。


散々突き放しておいて好きになっただなんて、許されるのかな…。




「うん。私………好きな人ができたみたい。」




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