キミと放送室。
9




「「「かんぱーい」」」


本日2度目のファミレス。

当然、乾杯はドリンクバーだ。



6人掛けの席で、窓際から紗良、有島くん、私と座った。
反対側には窓際に葉山先輩、通路側に名波先輩が座った。



「有島っちは音楽何聞くの?」

「俺は、洋楽も好きっすけど、最近はロックとか、あと普通にポップスも聞きますよ」

葉山先輩と有島くんは、いつの間にか音楽の話題で意気投合したようで、ずっとそんな話をしている。


微笑んで頷いて、聞きてる“フリ”をしていた私の足を、机の下でコツンと蹴った名波先輩。



「分かんの?メダカ」

挑発するように私に向かってそう言った名波先輩。

と同時に、他の3人の会話が一瞬止まった。

なんで、よりによって皆んながいるときに…


「ひ、日高です」

「あー。そうだった。日高サン」


絶対わざとだ。

「あはは、びっくりしたぁ。名波先輩、どんな間違え方ですかぁ」

紗良がそう言って、また会話が再開された。



皆んなにバレないように名波先輩を睨むと、私の視線に気付いた先輩は素知らぬ顔でジンジャエールを飲んでいた。





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