狼の目に涙
耳を真っ赤にして、悔しそうに眉間に皺を寄せて頭を掻く姿に、本当は抱きつきたかった。
佐々原くんの本心が聞けて、友達として私に心を開いてくれたんだと分かったから。
でも今ここで抱きつくのは、さっきまで囚われていた身として場違いな行動だ。
それに、私の佐々原くんに対する気持ちが、言わなくても伝わってしまいそうで怖い。
もう一度だけ感謝を言ってから、車に乗り込んだ。
いずれ、私の気持ちは佐々原くんに伝えたい。