狼の目に涙
こんなことで感情が左右するなんて私も弱くなったと思う。
ベットに腰を下ろして、小さくため息を吐いた。
「怖い思いさせて悪かったな」
『…え?別に怖くなかったよ』
「嘘つくなよ。手震えてるぞ」
気づかなかった。
右手だけが小刻みに震えていて、肩の痛みに耐えて左手で右手の震えを抑えても、震えは止まらない。
「一人で全部背負わなくても良いんじゃない?頼れる人が近くにいるだろ。二人も」
私の左手の上にさらに、佐々原くんの手が重なる。
佐々原くんの手は、私の両手を片手で包んでしまうほど大きい。