狼の目に涙
「帰るわ」
『ねぇ待って!私のこと…大事に思ってた?』
そのまま私の目の前から消えてもらおうと思ったけど、捨てられてから次いつか会えたら、聞いてみたいことがあった。
いくら捨てたと言っても、娘に愛はあるんじゃないかと信じて。
しばらく私に背を向けたまま黙っていると、声を出して笑い、振り返った。
「あんたを捨てたのがその答えよ」
そう言って、近くに停めてあった車の助手席に乗りこんだ。
運転席には、母親と一緒に出て行った、あの時の彼氏が乗っている。