またキミに会うために~1400年の時を超えて~

孤独

「あ、五月雨さん!」

 ある午後の日。私は、廊下を歩く彼女を呼び止める。

「優花様!」

 平伏そうとするから、その腕を掴む。一々平伏さなくていいよ。

「紙ってありますか?」

「え、あ、紙……。和紙のことで、ございますか?」

「そうそう」

 驚いた顔の彼女は、どこかの部屋から黒い箱を持ってきた。

「こちらにございますが。何に使われるのですか?」

「鶴を折ろうと思って」

「鶴で、ございますか?」

 この時代って、折り紙ってなかったのかな?って、紙は高価なものだった。

「皇子と和紙で遊ぼうかなって」

 その言葉に、五月雨さんは優しく微笑む。

「五月雨さん。ありがとう」と、頭を下げて皇子の部屋に戻ろうとした。だけど一つ、思い出した。
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