またキミに会うために~1400年の時を超えて~

朧月

「皇子様。夕餉の支度が出来ました」

 皇子の部屋に、女子が入ってくる様子を私は縁側の外からこそこそと見つめている。

 私と同じぐらいの年齢に見える女子三人組は、チュマチョボリみたいな服を来てそれぞれがおかずの入った入れ物を運んでいるようだ。

「昨晩、満月だったであろ~?」

 さっきとは違う、皇子の腑抜けな声。笑いそうになるのを堪えながら、それを合図に私は兎の耳のついたフードを被りゆっくりと近づく。

「そうでしたね。皇子様」

「兎がおっての~う。真っ白な兎が~」

「兎ですか?」

「そうだ~。空から落ちて来たのだ~。怪我をしておってな、手当てをしてやったのだよ~」

 しかし、あまりに間延びした喋り方をするものだから聞いているも眠くなってしまいそうだ。
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