夏恋サテライト

「棗の背中に “ 私の ” って書いておきたい…」


「名札でもつけられたら世の中楽なのにね」


「美紗は彼氏のこと独り占めしたいとか…ないの?」


「うーん、女の子が周りにいたら嫉妬くらいするけど彼の交友関係は制限したくないからなぁ」


「え、天使…?」





美紗の彼氏はバレー部の部長さん。


ほぼ毎日2人で打ち合わせしたり連絡とったりしてたら仲良くなって、部長さんから告白されて付き合ったのは私たちが付き合ったちょっと後。



同じタイミングに付き合ったものとして参考に…




いや私は棗の周りに女の子がいたら嫉妬通り越して感情どうなってしまうのやら…




「そういえば今日は飛鷹くんのところ行かないの?」


「女の子にモテてるから私嫉妬してるの。だから今日は行きません」


「ふふ、拗ねちゃったんだ?可愛い咲鈴」




そんな可愛いもんじゃない。




モテてる棗を見たくない。


そしてこんなに嫉妬してみっともない顔してる私を見られたくない。




棗の前では可愛い彼女でいたいのだ。





「なに不貞腐れてんだよ、自称飛鷹棗の彼女サン」


「恭ちゃんおはよ…って、自称じゃないよ本物の彼女だよ!?」


「ああ、そうですかそうですか」


「恭ちゃんも信じてくれてないね!?」





隣の席に腰掛けた恭ちゃんは呆れたように鼻で笑う。



私の妄想だとか思ってるんだろう。薄情なヤツめ。

親友だと思ってたのに…!




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