パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
おいしいお肉でお酒が進み、一時間後にはかなり酔っていた。

「駒木さんはー、私のどこがよくて、結婚したいんです、か?」

酔ってくると気持ちも大きくなる。
つい、そんなことを聞いていた。

「んー?
あの日、歩道橋から落ちてきた花夜乃さんが、満足そうに笑っていたから、かな」

「えー、なんですかー、それ?」

おかしくもないのにケラケラ笑ってしまう。
てか、私、あのときそんな顔をしていたんだ。

「だって、死ぬかもしれないんだよ?
なのに、やりきったって満足した顔でさ。
その向こうに手すりに掴まるお婆ちゃんが見えて、花夜乃さんが助けたんだってすぐにわかった」

言われてみれば確かにあのとき、お婆ちゃんを助けられたのならいいかって、満足していたかも。
だから、死ぬのは怖くなかった。

「落ちてくる花夜乃さん、笑っているうえに広がった白いカーディガンが羽根みたいで、僕には天使に見えたんだ」

思い出しているのか、眼鏡の奥で彼の目がうっとりと細くなる。
その顔を見て一気に酔いが回ったかのように顔が熱くなった。

「……天使は言いすぎ、です」

グラスに残っているお酒を、ちびちびと飲む。
気持ちが、ふわふわする。
そのせいか、駒木さんがゆらゆら揺れて見えた。
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