パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
「大丈夫だ、東本くんに押しつけ……任せてきた」

駒木さんは爽やかに笑っているが、今、押しつけてきたって言いかけませんでした?
ご愁傷様、東本くん。

「さあ、今日こそ食事に行こうじゃないか」

私の手を掴み、もう駒木さんはその気だ。

「いいですよ」

笑いながら私も、それに着いていく。
結婚しようと役所に連れていかれるのは困るが、食事くらいならいい。
それにだんだん、彼が憎めなくなっていた。

今日、連れてきてくれたのは、中華だった。
ただし、〝高級〟がつく。

「なにを飲むかい?」

席に着いてすぐに、駒木さんは飲み物を勧めてくれた。
そういうのは高級レストランに慣れているんだろうな、って思う。

「あー……。
ウーロン茶、で」

曖昧に笑って、メニューを閉じた。
また、同じ失敗を繰り返すわけにはいかない。

「わかった。
……ウーロン茶を、二つ」

店員を呼んで、彼が注文する。
今日もお酒じゃないのは、もしかして飲めないんだろうか。

「なにを……ああ」

駒木さんは私に向かってメニューを広げかけたが、すぐに閉じた。

「花夜乃さんはすぐに遠慮するからね。
メニューは見せないよ」

そう言って、自分だけがメニューを見る。

「なにか食べたいものはあるかい?」

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