パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
第三章 僕のにゃんこになるかい?
駒木さんとお試しでのお付き合いが、始まったその日。
彼は家まで送ってくれた。

「ここが花夜乃さんの部屋?」

私をマンションの前でタクシーから降ろし、駒木さんは帰るのかと思ったら着いてくる。

「えーっと。
泊めてくれとか言われても困るんですけど……」

それ以上に、家の場所を知られるのも、本来なら嫌だ。

「泊めてなんて言わないよ。
いろいろ確認したら帰る」

「はぁ……。
そうですか……」

確認とはなにを?
訝しがる私をよそに、マンションの玄関を駒木さんはあちこち見ていた。

「集中玄関で、監視カメラは一台か……」

「あの、入りますけど」

「ああ、うん」

私に声をかけられ、慌てて彼が着いてくる。
エレベータの中も、廊下も、ポストですらなにか彼はチェックしていた。

「上がるんですか」

「もちろん」

部屋の中になにか変なものを置いていないように祈り、ドアを開ける。
多少は散らかっているが、読みかけのBLまんがとかその辺に置きっぱなしになっていなくてほっとした。

部屋には入ったが駒木さんは、ドアの鍵をがちゃがちゃなにかやっている。
それが終わったかと思ったら一直線に掃き出し窓へ向かい、ベランダへ出た。
そして今度は、辺りを見渡していた。

「二階で裏は……」

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