旧知の名家ホテル王は懐妊した斜陽旅館令嬢を人生を賭けて愛し尽くす
 「よっしっ!これで極上案件ゲットよ!」
 総理大臣の宿泊予約ではないかもしれないけれども、少くなくとも極上案件の筈。
 もしかしたら、旅館も好業績になるかも…!
 上機嫌のあまり、鼻歌を歌わずには居られない。
 『恋してもいいかも』という、今人気のJ-POPを口ずさみ、クルリと小躍りする。
 「凛子様、早くおいで下さい。来客に間に合わなくなりますので。」
 今日の来客の為に、御付きの者が付いているのだった。
 「ごめんなさい!今行くから…!」
 私は御付きの女と共に、来賓用の別邸へと向かった。
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