彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode. 0】

 「先輩。かっこよかったです。惚れ直しましたー」
 
 巧の側で目にハートをつけている新入社員の渋谷奈々ちゃん。
 
 「ああ、渋谷。色々手伝ってもらってありがとうな」
 
 「えー?何でも言って下さい。先輩のためなら火の中水の中土の中です」
 
 「は?土の中?」

 私は、とりあえずこの場を去り、本部長室へ戻ろうとした。
 
 すると、巧に腕を捕まれた。

 「菜摘。祝勝会しようぜ。夜空けとけよ。今日くらいいいだろ?」
 
 「そうだね。そうしよう。メールするね」
 
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