彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode. 0】
 
 「何でしょうか?」
 
 「金曜日、新村君に何か言われたのか?」
 
 びっくりして赤くなってしまった。
 こういうときに免疫がないとすぐに反応してしまうものだ。
 
 「……なるほどね。わかったよ」
 
 「え?」
 
 「いや、こっちのこと。早くこっち来て、執務手伝え」
 
 「は、はい」
 
 バタバタと付いていき、またもや二日間の山盛りの書類と格闘が始まった。
 後ろには決済を待つ部長クラスが並んでいる。喧嘩しないでよー。誰が先かと喧嘩してる。
 それを無視する本部長。修羅場だよ。あっという間に一日が終わった。
 
 
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