鬼の子
10 球技大会
⋆⸜꙳⸝⋆

———球技大会当日。


爽やかな秋晴れの日だった。澄んだ空に心地よい風が吹き、1年中この気候だったらいいのに。と思わせてくれる。


学校指定の男女ともに紺色の体操着を着て、口元にはマスクをして、しっかり唇をガードする。

今日は(よこしま)な気持ちは一旦忘れて、球技大会に専念しようと決意した。


初めての球技大会、頑張ろう。

準備万端。気合い十分。
決意と共に気合い入りまくりな私。

しかし、友達が誰もいないので、その気合いに誰も気付いてはくれない。


いつも通り、ポツンと1人で目の前で行われている競技を応援している。


それでも心は弾んでいた。
今までの球技大会は遠くから見ているだけか、保健室で寝ているだけだった。


今年は違う。鬼の子の私も参加できるので、少しでもクラスの役に立とうと、心の中で気合を入れた。
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