鬼の子

「知られたくない何かがある。とか?」

「知られたくない何かって?」

「よそ者の俺には分からねぇけど、立ち入り禁止にした理由が、なにかしらあるってことだろ?」


考え込むように、全員黙り込んだ。



言われてみると、いきなり蔵が立ち入り禁止になったのは引っ掛かる。



期待してはいけないのは、分かってるけど。



もしも、鬼の子の呪いが解く方法があったなら

———私も普通の女の子として生きれるのかな。



「私・・・・・、調べたい。
鬼の子の呪いを解く方法」


ドキドキと緊張しながらも、精一杯振り絞り、自分の気持ちを声にした。




反応が怖くて、恐る恐る綱君と光希の顔を見ると、2人は笑っていた。

「ハハッ。俺らは(お前)が止めても探す気だったけどな」

「鬼の子の呪いが解ければ、(あかね)は辛い思いしなくて済むだろ?」


「・・・・・ありがとう」


綱くんと光希の気持ちが嬉しくて、私の心は温かくなるのだった。
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