迷惑をかけた相手になぜか溺愛されたようです。
恋人のふりだけでも大変だったのに、婚約者とは、まさに晴天の霹靂だ。
いくら青柳君から私を守ってくれるためとはいえ、婚約者となれば、さらに周りからの風当たりも強くなりそうだ。
そして玲也は何かを思いついたように、目を輝かせた。
「そうだ!唯ちゃん、婚約者であることを皆に知らせるためにも婚約指輪が必要だよね。今度の日曜日に選びに行こう。」
「では、それらしく見える偽物の指輪を…」
玲也は私の言葉を止めるように私の口に手を当てた。
「唯ちゃん、こういうときは遠慮なく好きな指輪を選んで良いんだよ。日曜日が楽しみだね。」