迷惑をかけた相手になぜか溺愛されたようです。

恋人のふりだけでも大変だったのに、婚約者とは、まさに晴天の霹靂だ。

いくら青柳君から私を守ってくれるためとはいえ、婚約者となれば、さらに周りからの風当たりも強くなりそうだ。

そして玲也は何かを思いついたように、目を輝かせた。


「そうだ!唯ちゃん、婚約者であることを皆に知らせるためにも婚約指輪が必要だよね。今度の日曜日に選びに行こう。」

「では、それらしく見える偽物の指輪を…」


玲也は私の言葉を止めるように私の口に手を当てた。


「唯ちゃん、こういうときは遠慮なく好きな指輪を選んで良いんだよ。日曜日が楽しみだね。」



< 64 / 110 >

この作品をシェア

pagetop