仲良し地味くんは私の隠れ護衛でした。
「椎名さん、以前も言った通り俺は、あなたのことがとても大切です」

「へっ?あ、その際は本当にありがとうございまし——」

「椎名さんに、婚約者はいますか?」


とても真剣な顔をして、そう聞かれた。


まさかそんなことを聞かれるだなんて思っていなくて、ピクッと肩が震えてしまった。


「いません」


そう答えると……にっこり、とても嬉しそうに黒瀬さんは微笑んだ。


「じゃあ、俺と婚約しませんか?」


そう、言いながら。
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