半径3cm未満に
バタバタと美術室へ向う。

だって…そうでもしないと、先生のことを意識してしまいそうだったから⋯。

渡り廊下を渡り、すぐ階段をあがる。

右へ曲がると、そこはもう美術室だ。

「おつかれ様、恋衣」

「あー、千尋〜。私もうクタクタだよー」

「うん。
たしかにそう見える。」

セミロングぐらいの髪をおろしている千尋は、一応学年1位の成績優秀ちゃんだ。

千尋の横の机にリュックをかけて椅子に座る。

「何があったの?」

「委員会の活動〜」

「それは大変だねえ」

千尋はのんびりとそう言った。

これで良かったのに。

これ以上の楽しみは望んでいなかったのに。

私たちはもう、元には戻れない―――
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