もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない
 


父さんは排他的な人間だ。


自分に害があると思った相手は、遠慮なく切り捨てる。

あらゆるツテを使って、社会的につぶす。


それがいくら長年、自分のために身を粉にして働いてくれた、心優しい人間でも。




――海花が地獄に突き落とされることだけは、阻止したい。絶対に。



そう思った俺。


『……わかったよ』と、大きなため息をこぼした。




『婚約話、すすめていいんだな?』


『俺に拒否権なんてないでしょ? 勝手にして』




この時、俺は父さんに負けた。



そして自分が幸せになることを、完全に諦めた。







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