もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない


「海花様、調理実習で作ったシフォンケーキです。食べてください」


「私のは紅茶味です。こっちの方が絶対においしいですから」



下級生の女子達が、自分の席に座る私にお菓子をくれたかと思うと……



「海ちゃん、聞いてよ~。アニメグッズ買い込んだら、前借り分の小遣いまでなくなっちゃっってさ」


「うちの両親、勉強しろ、早く寝ろ、スマホばっかりいじるなってうるさいんですよ。家出したいです」



私に心を許したかのように、泣きつく子。



「海花せ~んぱいっ。にゃんこ動画見ます? ヤンチャかわいすぎて、悶絶しちゃいますから」


私が頷く前から、スマホ画面を私に突き出してくる子まで。

さまざまな女子達が、私に笑顔を振りまいてくれます。


今までは、登下校中に下級生から話しかけられることはありました。

でもお昼休みに教室に押しかけてくる子は、あまりいなかったなぁ。


フフフ、嬉しいです。

そんなこんなで多くの女子生徒に囲まれながら、私は楽しいお昼休みを過ごしております。

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