君にかける魔法

L.F.E

『私、その人のメイクの動画見るのすごく好きなんです!』
『とてもタメになります。』
『参考にしています。』

「あ、…買っていこ」


金髪の女性がレジの前に立っていた。

(こんなティーン誌読むんだ…)

随分カッコ良い感じの人だったけど、意外だなぁ。
親戚が小さいとか?


「ナツキ!これ、ほら!ナツキだよー」
「やめて、バレる!」

あれ、どこかで見たことがあるような…


サングラスの隙間から少し顔が除く。


(え!?えぇ!?女優のNatsukiと…)

私は店頭ポップとそのとなりに飾られている写真をみて、隣にいた小柄な女性と見比べる。


(うわぁ!私あの人のメイク好きなんだよなぁ…)


ポップをみて名前を確認。
美園萌桃さんだ。

女優さんとメイクさん…

仕事関係…

でもわざわざ2人で本屋に来るのかな?



棚に今日発売の雑誌を並べながら、2人が気になってチラチラとみてしまう。

「どうしたの?初ちゃん?」
「緑さん!」

後ろに立っていた緑さんの存在に気づいた。

「今日は新刊多いのよね。私も手伝うわ」
「あ、ありがとうございます!」

緑さんに手伝ってもらいながら、雑誌をどんどん並べていく。
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