【大幅改訂版】いやたい水着
第4話
9月17日の朝7時過ぎであった。

この日は、ふみこが通っている小学校の遠足で双海《ふたみ》の海浜公園ヘ行く予定であった。

この時、家庭内でもめ事が発生した。

もめ事の原因を作ったのは、玲香であった。

ふみこがアタシとなおととまりよと一緒に家を出ようとした時に、玲香が呼びとめた。

玲香は、ふみこが着ていた衣服(ユニクロの女児服)が気に入らないから、ふみこに合う素敵な衣服を用意すると言うた。

そのために、アタシとなおととまりよは足止めを食った。

20畳の大広間にて…

玲香は、ふみこに着せるアイフクをアレコレと着せた。

しかし、どれもおかしい服ばかりであった。

玲香は、ひどく困っていた。

時計のはりは、7時40分になった。

集合時間は、8時…

玲香は、ひどくおたついた。

ふみこは、泣きそうになった。

玲香は、ふみこに『もうすぐ似合う服が見つかるから…』と言うてふみこを待たせた。

そこへ、卓《すぐる》がやって来た。

「オドレいらんことしい!!」

(ガツーン!!ガツーン!!ガツーン!!)

卓《すぐる》は、し烈な力を込めてグーで玲香の顔を殴りつけた。

卓《すぐる》に殴られた玲香は、左のほほに赤紫色の大きなキズができた。

「ギャーーーー!!」

端にいたふみこが、し烈な叫び声をあげて泣き出した。

それを聞いた義母が、おたついた様子で大広間に入った。

「卓《すぐる》!!なんで玲香さんを殴るのよ!?」
「よそ者がいらんことしよったけんしわいた(殴った)!!」
「玲香さんは、ふみこちゃんに似合うアイフクを出していたのよ!!」
「それがいらんことしよるといよんや!!」
「卓!!」

(ガツーン!!)

卓は、し烈な力を込めて義母の顔をグーで殴った。

そこへ、通りかかっ義父が卓《すぐる》を怒鳴り付けた。

「出てゆけ!!お母さんと玲香さんを殴るのであれば出てゆけ!!」

義父に怒鳴られた卓《すぐる》は、怒鳴り声をあげた。

「出てゆくよ…こんな家なんか出て行くよ!!」

卓《すぐる》は、手当たり次第にあったものをはじめに投げつけた。

その末に、卓は義父と玲香に対してどぎつい暴力を加えた。

玲香は、義父の100倍の力を込めて殴りつけた。

そして卓《すぐる》は、家出した。

この時であった。

(ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロドスーン!!バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ!!ドザー!!ドザー!!ドザー!!)

この時、大きな雷鳴が轟いたと同時に激しい雨が降り出した。

それから数分後であった。

ふみこが通っている小学校から急な連絡が入った。

予定していた遠足は、中止になった。

1時間前に通り道にあたる国道378号線沿いの地域で猛烈な雨が降った。

その時、付近で落石が発生した。

落石によって道路が通行止めになった。

迂回ルートにあたる大洲市内の道路も雨量が規制値を大きく超えたので通行止めになった。

学校側は、危険をさけるために中止にした。

代替の日は、ない…

よって、今年の遠足は完全に中止になった。

この時、ふみこはまた学校を休んだ。

卓《すぐる》が家庭内暴力を起こすたびに、ふみこは学校を休んだ。

これで、ふみこはなんべん学校を休んだのか?

うちら母子4人は、茂西の家がイヤになったので家出した。

時は、7時55分頃であった。

この時、伊予市中心部で雷を伴った激しい雨が降っていた。

ところ変わって、国道56号線沿いの通りにて…

うちらは、激しい雨が降る中をとぼとぼと歩いた。

なおとは、し烈な怒りをアタシにぶつけた。

「かあさん!!かあさんはなんとも思わないのかよ!?いつまで茂西《クソボケ》どもの家にイソンするのだよ!?」

なおとが言うた言葉に対して、アタシは答えることができなかった。

なおとは、イラついた声でアタシに言うた。

「だーっとらんとなんとか言えよ!!」

アタシは、気だるい声でなおとに言うた。

「ごめんね…ごめんね…」

なおとは、さらにイラついた声でアタシに言うた。

「ごめんねと言うのであれば、家作れよ!!」

アタシは、つらそうな声で言うた。

「ごめんね…家…作ることが…できないの…茂西《あのいえ》を出たから…住むところがない…」
「ふざけんなよ!!ふざけんなよ!!」

アタシに怒りをぶつけたなおとは、ふみことまりよをアタシの手から強引に離した。

なおとは、ふみことまりよを連れてどこかへ行った。

ふみことまりよを強引に離されたアタシは、ぼんやりとした表情で子どもたちの背中を見つめた。

この日を最後に、なおととふみこは学校へ行かなくなった。

その日の夕方6時過ぎであった。

(ゴトンゴトンゴトン…キーッ…プシュー…コツコツコツコツ…ピヨッ、ピヨピヨ…カッコー、カッコー…コツコツコツコツコツコツコツコツコツコツ…)

ところ変わって、松山市中心部・大街道の交差点《スクランブル》にて…

この時、帰宅する人たちで交差点《スクランブル》がにぎわっていた。

ところ変わって、いよてつ会館の1階にあるスタバにて…

この時、スーツ姿の夫と23くらいの女がいた。

ふたりは、通り側の席に座ってお話しをしていた。

テーブルの上には、トールドリップコーヒーとあんバターサンドが置かれている。

夫は、つらそうな声で女に今の気持ちを伝えた。

「オレ…つらい…つらい…」
「紀世彦…」
「オレ、さおりと結婚して損した…卓《すぐる》の肉欲のせいで…なにもかもわやになった…」
「紀世彦…」

ものすごく悲しい表情を浮かべている夫は、女に愛を求めた。

女は、夫の背中をやさしく抱いた。

時は、深夜11時50分頃であった。

ところ変わって、三番町の八坂公園の近くにあるラブホにて…

うす暗い灯りがともるベッドの上で、ふたりは激しく求め合った。

夫は全裸で、女は濃い紫色のホルターネックのスイムブラとスイムビキニショーツ姿(二つともユニクロ水着である)であった。

「あっ…紀世彦…」

夫は、女が着ていたスイムビキニショーツを荒々しく脱がした。

「イヤ…恥ずかしい…あっ…」

夫は、女のデコルテからひざもとの間をキスと舌でせめた。

「あっ…濡れちゃう…」
「甘えたいよぉ~…甘えたいよぉ~」
「イヤ!!」

夫は、右手でスイムブラをちぎった。

ブラの中からと105のJカップのふくよか過ぎる乳房があらわになった。

夫は、女のふくよか過ぎる乳房に抱きついて甘えた。

「よしよし…よしよし…紀世彦…かわいい…」

女は、ふくよか過ぎる乳房で甘えている夫の頭をなでていた。

女に抱きついて甘えている夫は、うちら母子4人をきれいに忘れた。

この日の夜、夫は帰宅しなかった。

9月18日の朝8時過ぎであった。

この日は、朝から快晴であった。

この日は、義父の親類が所有している別荘がある江川崎《えかわざき》(高知県)ヘ行く予定であった。

義父母とあやみと玲香と里香は予定通りに行く…

しかし、卓《すぐる》はすでに家出して行方不明になったのでいなかった。

夫は、会社の人と遠出する予定ができたと言うて拒否したあとどこかへ行った。

うちら母子4人は、家出したのでここにはいない…

一行は、義父のメイゴ夫婦が運転する15人乗りのハイエースワゴンで向かう予定であった。

その時、メイゴの夫がうっかりミスを犯した。

一行が乗る予定だったワゴンのバッテリーが上がったので、動かなくなった。

「ああ!!しまった!!」
「どうしたのよあなた!?」
「バッテリーが上がったーーーー!!」
「ちょっとあなたどうするのよ!?」

メイゴに怒鳴られた夫は、メソメソメソメソ泣き出した。

そこへ、義父母がやって来た。

「どうしたんだ!?」
「おじさま…主人がうっかりミスでバッテリーを上げた…」

メイゴの夫は、女々しい声で泣いていた。

それを聞いた義母は、イラついた声でメイゴを怒った。

「ちょっと!!それじゃあ私たちはどうするのよ!?」

端にいた義父は、困った声で言うた。

「オイ、気持ちはわかるけど落ち着けよぉ~」
「あなた!!」
「わかったからそんなに怒るなよぉ~(メイゴの夫)は、故意にバッテリーを上げたワケじゃないんだよぉ~なあ…」

メイゴの夫は、ビービー泣きながら義父母にわびた。

「おじさま…バッテリー上げてすみませんでした…バッテリー上げてすみませんでした…ワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーン…」
「わかったからもう泣くな…おじさんが今から近所の家へ行って車を貸してくださいとお願いしに行くから…」

義父は、大急ぎで近所の家へお願いしに行った。

義父は、大急ぎで近所の家へお願いに行った。

家のキンリンで11人以上の大型乗用車を所有している人は、家から5軒先の家の人だけであった。

そこの家の人がこころよくショウダクして下さるかどうか?

家の玄関先にて…

義父は、家の住民に車を貸してくださいと頼んだ。

この時、運転手の男性がゴルフクラブを積み込んでいた。

男性の奥さまは、もうしわけない…いいえ、ヘラヘラした表情で義父に言うた。

「ごめんなさい…これから主人はゴルフヘ行くのよ…」
「ゴルフ?行き先が一緒だったら、せめて宇和島駅まで…」
「ごめんなさい…主人の行き先は、香川県のうんと遠いゴルフ場なのよ…大学の時のお友だちを連れて行くから…なんだったら、息子(大学生)を呼びましょうか?」
「なんで息子さんをよぶんぞ!?」
「江川崎《えかわざき》まで行く鉄道《きしゃ》のルートを検索するのよ…」
「ノンキに検索している場合じゃないんだよ!!」
「落ち着いてよぉ~」
「落ち着いてられるか!!」
「そんなの調べてどーするんぞ!?」
「だから、江川崎まで行くチケットを手配しますといよんよ…」
「ことわる!!」
「断るって…」
「断ると言うたら断る!!」
「それじゃあどうするのよ~」
「鉄道《きしゃ》ぐらいワシで手配する!!あんたらはワシらをグロウしたから一生うらんでやる!!バーカ!!」

義父は、奥さまをボロクソになじったあと両手をついて倒した。

その後、義父はゴルフバッグを積み終えた主人の頭を物で殴った。

義父は、ものすごく怒り狂った表情で立ち去った。

義父が怒った表情で帰ってきた時であった。

あやみがおたついた表情で義父に言うた。

「義父さまたいへんよ!!」
「どうしたのだ?」
「玲香さんが、書き置きを残して家出した!!」
「どういうことだ!?」
「とにかく、これ読んでください!!」

義父は、玲香が残した手紙を読んだ。

玲香は、卓《すぐる》に暴力をふるわれたことを苦に荷物をまとめて家出した。

他にも、義母やあやみからきついイビリを受けたことなどがしるされていた。

手紙の最後に『愛媛県の結婚支援センターのせいで、女の一生が台なしになった…一生うらんでやる!!』と殴り書きでしるされていた。

一体、どういうことだ…

愛媛県の結婚支援センターはカンケーないのに、なんでうらむのか?

義父は、ひどくコンワクした。

その間、里香も荷物を持って家出した。

そして、ふたりとも行方不明になった。

ふたりが家出したあとに、うちら母子4人が戻ってきた。

うちら4人は、茂西《このいえ》に二度と戻らないと訣意《けつい》したので、家の中に残っている品物を全部取り出すことにした。

残っている品物を取り出している時に、家の広間でイビツな大ゲンカが繰り広げられていたがそんなことはどーでもよかった。

夕方5時前であった。

うちら4人は、荷造りを終えたあと再び家出した。

この日を最後に、うちら4人は茂西《いえ》に帰らなくなった。

その頃であった。

ところ変わって、家の台所にて…

あやみは、マルナカ(スーパー)で購入した食材が入っているエコバッグの中から、食材を取り出してテーブルに並べていた。

そこへ、近所に住んでるチクリ奥さまが勝手口から入ってきた。

「奥さま。」
「あら、おとなりの奥さま。」
「ちょっと話があるけどかまん?」
「ええ。」

チクリ奥さまは、厳しい声であやみに言うた。

「あんた、今朝方家の前で暴動を起こしたわね!!アレ、どういうこと!?」

あやみは、力ない声で奥さまにわびた。

「すみませんでした…」

チクリ奥さまは、ものすごくあつかましい声であやみに言うた。

「暴動の発端は、なんだったのよ!?」
「(力ない声で)ちょっと…義父のメイゴのムコはんが…うっかりミスをして…」
「(あきれ声で)なさけないわね…あんたのシュウトのメイゴのムコは…」
「すみませんでした…」
「(あきれ声で)シュウトのメイゴのムコはんの親の職業は?」
「四万十市の職員です。」
「(決めつけ言葉で言う)ほやけんいかんのよ…シュウトのメイゴのムコはんはどこの大学ヘ行ったの?…学歴だけは一流のクセに生きるすべを持っていない…ほやけん、クソボケアホンダラなのよ!!」

はじめのメイゴのムコはんをボロクソになじったチクリ奥さまは『話し変えるけど…』と言うたあと、あやみに今夜のテレビのことを言うた。

「あやみさん、知ってたぁ?」
「知ってたぁ…って…」
「今夜7時から9時までの(地デジ)6(チャンネル)で放送予定の番組が急に変更になったわよ。」
「えっ?『炎の体育会』と『ジョブチューン』(TBSテレビ系)のコラボスペシャルせんの?」
「『公開捜査特番』に変わったわよ(途中で怒りを込めて言う)それも1人の人間のせいでね!!」
「それはどういうことですか?」
「あやみさん、知らんかったの?」
「ですから、1人のせいと言うのが分からないのです…」
「ほやけん、蛤《はまぐり》さんの奥さまのせいで番組が2時間つぶれたのよ…蛤《はまぐり》さん方の長女ちゃんが書き置きを残して家出したわよ…公開捜査は蛤《はまぐり》さん方の長女ちゃん1人よ…蛤《はまぐり》さんのダンナさんもワルよね…海外長期出張はウソ…ホンネは塩江(高松市)のゲイコの女の部屋にいた…2日前にゲイコにすてられたわよ…自暴自棄におちいったあげくに…フクジョーシ…でわやになったわよ…」
「そんなぁ~」
「蛤《はまぐり》さんの奥さまはテンバツ食らったのよ…いいキミだわ…ほな、うちはこれで…」

このあと、チクリ奥さまは勝手口から出て行った。

あやみは、ボーゼンとした表情でたたずんでいた。
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