【大幅改訂版】いやたい水着
最終回
時は、夜9時半頃であった。

ところ変わって、高須(旧東予市)の海岸沿いにあるラブホテにて…

夫は、テレクラでナンパした女と一緒にここへ来た。

(ジャーッ)

夫と女は、全裸の姿で抱き合ってシャワーを浴びていた。

「ああ…(女)…」
「ああ…紀世彦…」
「後悔しない?」
「後悔しない…」
「愛してる…」
「(女)も…」
「(女)…」
「紀世彦…」

このあと、夫は女の背中に回って後ろから抱きついた。

夫は、両手でJカップの極爆乳《おおきすぎるおっぱい》を荒々しくつかんだ。

「ああ…イヤ…」
「(女)…」
「ああ、紀世彦…」
「(女)…結婚してくれぇ~…」
「イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

浴室に女の叫び声と夫のなさけない声が響いた。

ふたりは、このあと無我夢中で求め合った。

それから数時間後であった。

浴室に刃物を持ったチャラい格好の男が乱入した。

男は、女のきょうだいであった。

「ワーッ!!」
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

女は、男に刃物で刺されて殺された。

「助けてくれ〜…助けてくれ〜」

夫は、なさけない声で助けを求めた。

しかし…

「グワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

夫は、男に刃物で刺されて殺された。

浴室が大量の血液に染まった。

それから60分後であった。

(ウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウーウー!!カンカンカンカン!!)

伊予市灘町《ぐんちゅうなだまち》の茂西の家だった建物で大火災が発生した。

消防車数台が現場に到着したあと、消火作業を開始した。

火元はどこか分からないが、火の手がない場所から出火した疑いが出た。

しかし、くわしい原因はケーサツと消防で調査中のために結論が出るのは先のことであった。

話は、その翌日の夕方4時過ぎであった。

なおととアタシは、塩江(高松市)のダム湖の公園にいた。

ふみことまりよは、高松市内で暮らしている知人の家に預けている。

アタシは、短い丈のTシャツと黒のパンツ姿であった。

アタシは、ものすごくつらそうな表情でなおとに言うた。

「なおと…ごめんね。」
「かあさん…」
「かあさんのせいで、あんたたち3人を不幸になった…」

なおとは、アタシに言うた。

「かあさん…かあさんはぼくたちにどうしてほしいんだよぉ…」
「わかんない…」

アタシは、ひと呼吸したあとなおとに言うた。

「なおと…かあさんと一緒に山奥へ行こう。」

時は夕方5時過ぎであった。

なおととアタシは、ダム湖の周辺の道路から林道に入った。

ふたりは、なんのあてもなく林道を歩き続けた。

そうこうして行くうちに、日が暮れだした。

夕方5時58分ごろであった。

なおととアタシは、林道の途中にある広いところにやって来た。

アタシは、つらそうな表情でなおとに言うた。

「なおと…」
「かあさん…」
「かあさん…ここにのこる…」
「えっ?」

アタシは、なおとに対してここにのこると言うた。

「かあさんは、あんたたち3人を不幸にしたから…母親失格よ…」

アタシは、大粒の涙を流しながらなおとに言うた。

「なおと…ふみことまりよをお願い…かあさんをここに置いて…山を下りて…」

なおとは、なにも言わずにアタシに抱きついた。

「なおと…なおと…イヤ…」

(ドサッ…)

アタシを倒したなおとは、悲しげな表情でアタシを見つめた。

「なおとごめんね…イヤ…イヤ…」

なおとは、アタシが着ていたパンツを無理やり脱がした。

パンツの中から、ボタニカル柄のスイムビキニショーツがあらわになった。

「なおと…イヤ…」

なおとは、アタシが着ていたTシャツを脱がした。

Tシャツの中から、Hカップのふくよか過ぎる乳房を包んでいる黒のスイムバンドゥブラがあらわになった。

ふざけるな…

かあさんは…

このいやたい水着で、何人の男をもてあそんだ…

許さない…

アタシの衣服を脱がしたなおとは、スイムバンドゥブラを右手でつかんでちぎった。

「イヤ!!」

ちぎれたスイムブラの中から、Hカップのふくよか過ぎる乳房があらわになった。

そして、なおとはスイムビキニショーツを無理やり脱がそうとした…

…が、途中で止めた。

この時、なおとは幼いころを思い出した。

なおとが4つの夏だった。

アタシは、なおとと一緒に梅津寺《ばいしんじ》(松山市)のビーチに行った。

アタシが着ていた水着は、黒のスイムバンドゥブラとボタニカル柄のスイムビキニショーツの組み合わせであった。

「ママ、ママ、ママ、ママ…」
「なおと、なおと、なおと、なおと…」

なおとの脳裏に、その時の様子がうつった。

だから…

それ以上ひどいことはできなかった。

「ううううう…」

なおとは、震える声で泣いた。

アタシは、大粒の涙を流しながらなおとを呼んだ。

「なおと…」

なおとは、震える声で言うた。

「できない…それ以上…ひどいこと…できない…」
「どうして?」
「かあさん…帰ろうよ…」
「なおと…」

なおとは、アタシのHカップのふくよか過ぎる乳房に抱きついて泣いた。

「ううううう…」

アタシは、なおとを両手でぎゅっと抱きしめながら言うた。

「なおと…ごめんね…ごめんね…しょうたれになったかあさんを…許して…」

ふたりは、抱き合った状態で泣いた。

夜8時55分ごろに、母子は森林から出た。

その翌日、うちら4人は再びあてのない旅に出た。

【終】
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