君の全部になりたい【完】



「だからもう泣かないで。」



そう言って、私の涙を拭ってくれるの。



「わ、分かったっ…」



「っ、あぁ〜…もうそんな潤んだ目で見つめんな。食べちゃいたくなる。」



困ったように、でも優しい瞳で私のことを見つめる。


食べる?どうやって?



「食べちゃダメだよっ」



「分かってるよ。だからこうやって必死に我慢してるでしょ」



「っ、」


物欲しそうな、何かを耐えてるような顔で、私の唇を親指ですうっとなぞる爽。


身体がゾクってして、捩らせてしまう。


色っぽく私のことを見つめる爽に、目を揺らして逸らしてしまう。





もう、好きすぎておかしくなりそう。

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