浮気されたら、エリート整形外科医に溺愛されました【完】
徐々に鼻の奥がツンといたくなり、目に涙が滲む。
抱き合ったまま麗華の背中で「ありがとう」と呟くと、同じように麗華も泣いていた。

望さんそっちのけで、幸せと喜びに浸る私たち。
麗華にお願いして、よかった。


「本当によかったよ、水姫が幸せそうで」

「みんなのお陰だよ。 私一人で、この幸せは手にすることはできないから」

「またそんな泣かせるようなこと言って! 私この後仕事なのに」


スーツのポケットから小さめのファンデーションを取り出すと、麗華はササっとメイクを直した。

麗華はまだ仕事があるから、そう長くも話していられない。
彼女は彼女なりに、忙しいのだ。


「ごめんね仕事の合間にわざわざ来てもらって」

「大丈夫! こちらこそ、依頼してくれてありがとう!」

「また、アパート行くね」


「うん! 待ってる!!」と手を振りながら、仕事へと戻って行く麗華。
騒がしかった秘書室が、一瞬で静かになる。

麗華がいなくなったと同時に私の頭にポンっと望さんの大きな手が乗せられて、すぐに背後からぎゅっと抱きしめられた。
不意打ちでのバックハグに、きゅんとしてしまう。


「の、望さん……?」

「よかったな。 スピーチ、引き受けてもらえて」

「はい。 絶対麗華にお願いしたっかたので」


「俺そっちのけだったもんなぁ」と言いながら私の顔をクイッと向けると、唇に優しくキスを落とす。
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