星降る夜に
「そういえばさ、さっきの1人で居たとき呟いてたのって、この前習った竹取物語の文章でしょ?」

月を見て、思い出したように夏海が尋ねてくる。

「聞いてたのかよ。恥ずかしいからやめろって」

「いいじゃんか。すごく嬉しかったよ。
じゃあさ
『この衣着つる人は、物思ひなくなりにければ、車に乗り
て、百人ばかり天人具して、昇りぬ。』って覚えてる?」

「俺が読まさせられたとこじゃん」

「考えてたんだ。かぐや姫は衣を着ちゃったら、想いも何もかも失って、未練もなくなったけどさ、あたしはどうすれば忘れられるのかなって、結城のこと」

「夏海・・・。」

「でももうあたしには天の羽衣は必要ないよね。
だって、あたしには月の都じゃなくて、結城の隣が帰る処だから。」

涙を浮かべながら微笑む夏海は、星々の明りに照らされて、驚く程綺麗だった。
大切なモノを喪った、かぐや姫とは比べるべくもないほどに・・・。

「おう。だからもう独りで悩むのはやめろよ。
それに・・・俺だって寂しいだろ」

「あはは、そうだね。
だから・・・これからもずっと傍に居てね。」

どちらからともなく口付けを交わす。



そして星々が祝福するこの場所から・・・。
< 10 / 10 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

『an Innocent Party』

総文字数/8,712

その他51ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
それぞれの生活 それぞれの事情 それぞれの想い それぞれの欲望 全てを呑み込み『ゲーム』は幕をあける。 見知らぬ6人が集められたのは…豪華絢爛な見知らぬ部屋だった。 課された『義務』… 与えられた『権利』… 複雑な『ルール』が交錯する… 満たすべき『条件』とは? そして私達は『何』をすればいいの…? -2008.8.27〜
交流掲示板♪

総文字数/495

その他4ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
ファン登録していただいた方々! 読者の皆様! ありがとうございます (ノд<。)゜。 これからも頑張って更新するのでよろしくお願いします♪ ファン登録してくださった方々、作品を読んで頂いた方々とな交流のきっかけに…と思い執筆しました♪  執筆方針・予定についての項目を追加したので、よければ参考にしてください♪
『隣』に

総文字数/6,743

その他36ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
毎日学校に行き、友達と他愛ない話で盛り上がり、学校が終われば遊びに行ったり塾に行ったり。 受験生としてそんな毎日を送っていた。 それが『日常』であり、卒業までこんな生活が続くと思っていた…。 それが『日常』だった…。 そう。あの日までは… 次々と減っていくクラスメイト…自由を奪われた学校…目の前に広がる終わりの知れぬ闇。 友情?信頼?愛情? 憎悪?嫉妬?怨恨? 銃弾が飛び交い、陰謀が渦巻く極限に見るものとは… -2008.8.24〜 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 初めての作品で稚拙な表現等も多いですが徐々に更新していく予定なので宜しくお願いします。  一応学校を舞台に起こる非日常的な事件を中心に描いていく予定です。 感想等いただけると参考になるのでよければ是非お願いします♪

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop