夕陽を映すあなたの瞳
第一章 懐かしい仲間
(はあ、今日も疲れたー)

仕事帰りの満員電車で揉みくちゃにされながら、(こころ)は吊革に掴まって、ふうと小さく息を吐く。

スプリングコートのポケットからスマートフォンを取り出して見ると、思いがけない友人からメッセージが届いていた。

(愛理(あいり)だ!懐かしいー)

高校時代の同級生、愛理からのメッセージを早速開いてみる。

"こっころー、久しぶり!元気にしてる?高3の時のクラスのみんなと、同窓会しようって盛り上がっててさ。グループ作ったから、心も招待するね"

へえ同窓会か、と思いながら、メッセージのグループに参加する。

(わっ、もう33人もいる?)
メンバーの人数に驚きつつ、心は"こんばんは"のスタンプを押す。
すると次々とメッセージが届いた。

"あ、こころ来たー!"
"ほんとだ!久しぶり、こっころーん"
"懐かしい!コロコロこころんー"

(やだ、みんな)

心は思わず頬を緩めて文字を打つ。

"お久しぶり!みんな、元気だった?"

元気元気ー!と、数人から矢継ぎ早に返事が来る。

仕事の疲れも忘れ、心は嬉しくなった。
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