劣等生と魔法のキス
三年間の片想い
好きだとリーマスに告げられた日から数日、ミアはリーマスからアプローチを変わらず受けていた。だがその内容は、日に日に糖度が増しているような気がし、ミアの心臓が休まる時はほとんどない。

放課後、ヴァイオレットは部活に行ってしまい、ミアは中庭にあるベンチに腰掛けていた。少しずつ空が赤くなり、ミアの頭上を鳥の群れが飛んでいく。

「ミア、隣に座ってもいい?」

ぼんやりと空を眺めていたミアに、リーマスが声をかけてくる。ミアは辺りを見回す。誰もいない。

「いいよ」

ミアがそう言うと、リーマスは「やった!ありがとう!」と言いながらミアの隣に座る。そして、杖を動かして「ソコラタ!」と言う。するとポンと音を立て、リーマスの手に袋に入れられた可愛らしいアイシングクッキーが二つ現れた。

「一緒に食べよう?」

「あ、ありがとう」

一つを受け取り、ミアは袋を開ける。袋の中には、熊やお花、ハートに星など可愛らしいアイシングクッキーが入っている。ミアはハートのアイシングクッキーを取り、口の中に入れた。
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