粉雪
キャンバスを歩いていると後ろから声がかかった


「おっす、尚司!」

同じ学部でダチの正博だ

明るくてイイヤツ


「おすー。」

軽めに挨拶を返す


「尚司、デニムに土ついてるけどスッ転んだ?」

言われてデニムを見ると右膝と右の足背に土がついていた


軽く払いながら
さっきの出来事を思い出してにやけてしまう


「なに?なんかいいことあったの?」

食い入るように俺を見つめる正博を軽く無視して

講堂に向かった



途中すれ違う学生


手には大きな荷物


そういえば…
彼女もあんなの持っていたっけな…


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