粉雪
ポキッ!


その時
俺の靴の下から聞こえた
細い枝が折れるような音…


そっと足を上げてみる


そこには
2つに折れた一本の筆があった



紛れもなく
それは、彼女のもの

フリーズする俺


「あ。」


短く声を発し目を丸くする加奈…


俺は上げた足をゆっくり筆から離して下ろし


「ごめんっっ!」

頭を深々と下げた
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