タロくんとハナちゃん
「やっと、一緒に暮らせるね!」
「はい////」

「嬉しいな!」
「わ、私も…////」
恥ずかしそうに俯く。

「ほんと!?」

「はい////
あ、あの!タロくん」
首をかしげ、顔を覗き込む太朗に向き直る華子。

「ん?」

「わ、私。
迷惑かけないように頑張りますので、よろしくお願いします……!」
ペコッと頭を下げた。

「こちらこそ!
僕がずっと傍にいて守るからね!」
華子が顔を上げると、優しく微笑んだ太朗がいた。


理一郎と俊彦が戻ってきて、四人で休憩する。

太朗は身体ごと華子の方を向き、頭を撫でたり、髪の毛を一房取って遊んだりしていた。
華子は顔を真っ赤にして照れながら、されるがまま太朗を見つめている。

見ているこっちが恥ずかしくなるくらい、ラブラブな太朗と華子。

しかし理一郎と俊彦は、もう見慣れた光景だ。

マイペースにスマホゲームで遊んだり、時々話したりして過ごしていた。

基本的にこの四人は、四人でいても全く別のことをしている。
(しかし、太朗と華子はいつも一緒に行動している)

四人にしかわからない、独特の空気感があるのだ。


「━━━━あ、タロ」
理一郎がふと、太朗を呼ぶ。

「ん?」

「タロマル(チーム・太郎丸のこと)の奴等が、パーティーしよってさ!
ハナの引っ越し祝い」

「んー
ハナちゃん、タロマル達に会える?」

「あ、はい。大丈夫です!」
窺うように見てくる太朗に、微笑む華子。

太郎丸は、かなり恐ろしい軍団。
臆病な華子は、苦手だ。

理一郎に初めて連れていかれた時は、猛獣の檻に入れられた感覚だった。


しかし華子は、理一郎に連れていかれたあの時に、太朗に一目惚れをしたのだ。

「まぁ、僕がずっと傍にいるんだからいいか!」

太朗は、フフ…と微笑みながら、華子の頭を撫でる。
そして華子の髪の毛をすきながら、不意に言った。

「髪の毛、伸びてきたね」と。

そして、更に言う。
「切んないの?」

「あ、はい。
伸ばそうかと思ってます」
華子も自身の髪の毛を触りながら言う。

「そっか…」
少し残念そうな、太朗。

「え?あの…タロくん?」

「あ、ごめんね。
出来れば……出来ればだけど!
カットしに行かない?」

「え?」


「僕は、ハナちゃんはショートが似合うと思うんだ!」
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