つぽみは、いつか花開く


「...............つぼみ、また泣きそうな顔」



落ち着いた声のトーン。甘いももの香り。



部屋のドアのところに、桃くんの姿があった。



「............っ、ぅ、もも、くん、」



普段の私なら、
傍にいたらダメって思ってるから。



こんなことしないのに.....................



自然と桃くんに抱きついてた。



「つぼみ、」



私の名前を呼ぶと、桃くんは察したように。



子供をあやす様に、
私の背中をポンポンとしてくれた。



桃くんの体温は暖かくて、安心して。



そのまま、
しばらく、桃くんの腕の中で涙を流した。


< 20 / 24 >

この作品をシェア

pagetop