【完結】婚約破棄を望んだのに、なぜか愛で埋め尽くされそうです!


 カオルとのキスは、甘くて優しい。蕩けそうなくらい、優しい。

「カオル……好き、だよ」

「え……?」

 私は、カオルが好きだ。 カオルのことが、大好きだ。

「好き……カオルのことが、好き」

「ミク……?」

「大好きなの……カオルのことが」
 
 私は本当は、もっと前からカオルのことが好きだった。 好きだった、カオルのことが。
 私はそれに気付いていた。 でも、その気持ちに気づくのが遅かった。

「ミク……それって、告白?」

「うん、そうだよ。……告白、だよ」

 カオルに愛されて、カオルと共に生きているからこそ、私はこうして愛されていると実感している。

「ミクからの告白……嬉しい」

「……良かった」

「ミクのことを愛することが出来て、俺は幸せだ」

 カオルと一緒に生きていくと決めたのは、私だ。だからこそ、私も幸せだと感じるんだ。

「ミク、これからもずっと……一緒に生きていこうな。二人で、この先もずっと」

「……うん、二人で生きていこう」

 お姉ちゃん夫婦には子供が産まれて、私はカオルと夫婦になった。  
 幸せって言われると、なんなのか難しいけど、でもそれは人によって違うよね。
 私にとっての幸せは、カオルと共に生きていくことだ。
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