好きになってはいけない人を、好きになりました
「凛…!!」

ドアが開くと、海が抱きついてきた。

どうして?

どうして抱きついてきたの?

「ごめんね…!ヒック…。ごめんね、凛!ヒック…!」

そして泣いて謝ってくる海。

なんで海が謝ってるの?

なんで泣いてるの?

「ごめんね、凛…!ヒック…知ってたの。ヒック…!凛が白蓮総長の妹って、ヒック…初めから知ってたの…!」

え…?

知ってた?

初めから?

初めっていつ?

「凛」

「瑠生…」

瑠生が私の前まで来た。

「すまなかった」

突然頭を下げて謝ってきた瑠生。

「え、瑠生?あ、頭あげて?なんで謝るの?」

謝らないといけないのは、私なのに…

「海の言ってたとおり、初めから知ってたんだ。白蓮総長の妹だって。凛の兄が白蓮総長だって」

「い、いつから…?」

「入学式で初めて喋った時から」

そ、そんな前から?

もう1年以上前じゃん。

「みんなも…知ってたの?」

みんなの方を見ると、みんな頷いた。

うそ…

知ってたらなんで…

「なんで…?岳にぃの事知ってたらなんで…」

「白蓮総長の妹とか関係ない。俺たちは、凛だから友達になりたいと思ったんだ。凛が言ってくれるまで、知らないフリしておこうと思った。ただ、その結果凛1人で抱え込んで傷つけてしまった。ごめん」
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