うた×バト〜思いは歌声にのせて〜
「えっと、その……私こそごめんなさい。休んでるところに……うるさかったよね?」
申し訳なくてまた帽子を両手で掴んで顔を隠した。
「うるさくなんてないさ。むしろもっと聞いていたかったくらい。……俺、君の歌声好きだな」
「えっ⁉」
思いもしなかった言葉に驚いて顔を上げた。
だって、今私の歌声が好きって言った? 幻聴じゃないの⁉
そしたら、木漏れ日に照らされたキラキラした笑顔に見下ろされる。
「あ、やっと顔上げてくれた」
ニコッと笑った橘くんに胸がキュンとなる。
男の子に失礼かもしれないけれど、かわいいって思っちゃった。
橘くんは笑顔になると普段のクールな印象が嘘のように年相応に見える。
その笑顔が画面越しじゃなくて生で、しかもこんなに間近で見られるなんてっ!
「あ、えっと……。わ、私! お兄ちゃん探してるところだったの! ごめんね!」
言うが早いか、私は橘くんにもう一度謝って離れた。
「え? ちょっと待って、せめて名前くらい――」
「ごめんねー!」
引き止められたけれど、私はとにかく謝りながら秘密の東屋を後にしたんだ。
申し訳なくてまた帽子を両手で掴んで顔を隠した。
「うるさくなんてないさ。むしろもっと聞いていたかったくらい。……俺、君の歌声好きだな」
「えっ⁉」
思いもしなかった言葉に驚いて顔を上げた。
だって、今私の歌声が好きって言った? 幻聴じゃないの⁉
そしたら、木漏れ日に照らされたキラキラした笑顔に見下ろされる。
「あ、やっと顔上げてくれた」
ニコッと笑った橘くんに胸がキュンとなる。
男の子に失礼かもしれないけれど、かわいいって思っちゃった。
橘くんは笑顔になると普段のクールな印象が嘘のように年相応に見える。
その笑顔が画面越しじゃなくて生で、しかもこんなに間近で見られるなんてっ!
「あ、えっと……。わ、私! お兄ちゃん探してるところだったの! ごめんね!」
言うが早いか、私は橘くんにもう一度謝って離れた。
「え? ちょっと待って、せめて名前くらい――」
「ごめんねー!」
引き止められたけれど、私はとにかく謝りながら秘密の東屋を後にしたんだ。