うた×バト〜思いは歌声にのせて〜
「あ、顔赤くなった。確かにかわいいねぇー」
「ね。なんていうか……こねくり回したくなる」

「こねくり? もう、私粘土じゃないんだよ?」

 千代ちゃんの言う通り赤くなっちゃった顔を誤魔化すように軽い調子で返した。

「ふはっ! 粘土って……例えが微妙な感じに面白いね。まあとにかく、こっちもよろしく!」
「同じくよろしく!ってことで、親睦を深めるためにもこれから一緒にランチ行かない?」

「うん! あ、でもエンジニアのメンバーは探さなくていいの?」

 あとはエンジニアの人を入れればチーム結成になる。
 このまま探してみてからでもいいんじゃないかな? と思って聞いたんだけど……。

「うーん、今は無理なんじゃない?」
「流歌、教室見てみなよ」

「へ?」

 諦めモードな二人。
 私は千絵ちゃんの言う通りに教室内を見て納得した。

 雄翔くんの所に集まっている人たち以外はもうグループが出来ている人ばかり。
 一人でいるクラスメートはいなかった。

 つまり、エンジニア志望の子を探そうと思ったら今雄翔くんの所に集まっている人の中から見つけなきゃならないってこと。
 彼らは今雄翔くんと同じチームになろうと奮闘中なわけだから……。

「うん、無理だね」

 私も二人と同じように諦めモードになってうなずいた。
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