ストーカー気質な彼女は,甘い溺愛に囚われる。

陽深ちゃんのアクション。





次の日も,やっぱり俺は真輝といた。

その真輝が,突然立ち止まる。



「ちょっと,待って静流」

「? なに?」

「やっぱり……」



ボソリと呟いて,振り返る勢いのままに駆け出していく真輝。

その方角に,嫌な予感がした。



「今日ずっといねぇ? 気のせいかと思ったけど,ずっと着いてきてるよな。誰? 何? 静流のストーカー? こそこそこそこそ気持ち悪ぃんだけど」



突然2本しかない腕の片方を封じられ,怯えたように肩を震わせる女子生徒。

最後には,可哀想に顔を真っ青に染めていく。


「……ぇ,ス……?! え,わた,私……そんなつもりじゃ……あの,ご,ごめんなさ……ごめ」

「っ~ちょっと,待って,真輝。ごめんね,陽深ちゃん,大丈夫だから」



真輝を追った俺は,陽深ちゃんに笑いかけ,真輝を睨み付けた。



「や,えっ知り合い? でも静……」

「いいから,離して。怖がってるでしょ,乱暴しないで」




折角,知らないふりをしてきたのに。

陽深ちゃんのごめんには,きっと今までの日々の分も入ってる。

後で説明するよと,アイコンタクトで微笑みを渡しながら,陽深ちゃんを掴む真輝の手を掴んだ。



「……分かった。……ごめん」



陽深ちゃんの本気の怯えに,ようやく気づいた真輝。



「迷惑で危ないやつかと思って……ほんとごめん。で? 何やってたんだよ」
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