Cherry Blossoms〜咲き誇った花の名は〜

アルオチがそう返すと、ナタリアは「じゃあ行きましょ」と言いショットガンを持った男性二人が立っている出入り口に向かって迷わず歩いていく。

「えっ、一体二人は……」

桜士が戸惑いながら言うと、モニカが「まあ見てろ」と言いながら物陰に隠れる。桜士も物陰に隠れ、二人の背中を見守った。

「テメェら、何しにここに来た？」

ゆっくりと歩いてきたナタリアとアルオチに対し、男性二人は警戒した目を向けながらショットガンを構える。当然だろう。それに対し、アルオチが声を上げる。

「あっ、ごめんなさい！私たち迷ってここまで来てしまったの！そんなもの向けないで！」

アルオチは突然ショットガンを向けられ怯えている声を上げているものの、桜士はすぐにこれがアルオチの演技だとわかる。

「あの、道を教えていただきたいんです。そんな危ないものは下ろして。ね？」

ナタリアも声を震わせながら言う。だが、それも彼女の演技だ。