Cherry Blossoms〜咲き誇った花の名は〜
「鍵を壊します」

桜士は懐から銃を取り出し、迷うことなく引き金を引く。放たれた一発の銃弾は鍵を一瞬にして破壊した。

「そうか、お前は拳銃持ってんのか」

ヨハンは「今は警察官だしな」と納得したように頷く。分厚い扉は一人で開けるのは困難なため、桜士とクラウディオ、ヨハンとアルフレッドとオリバー、そしてリティクが協力し、開けていく。

「いよいよ、本格的な戦いの始まりだな」

モニカが緊張したように言う。もう笑みを浮かべている者はいなかった。誰もが一花奪還のため、真剣な目をしている。

分厚い扉が、完全に開いた。



監視カメラがアジトにはたくさん仕掛けられている。当然、侵入者が見張りを倒し、出入り口から侵入したことはアジトでモニターを監視していた組織の人間はすぐにわかった。そして、アジト内に異変を知らせる警報を鳴らす。

「侵入者だ!」

「何者だ、あいつら!警察じゃなさそうだが……」

混乱するアジトの中、一人の男性だけが冷静に窓の外を見ていた。

「もう、終わりにしよう」

誰にも聞こえない声で男性ーーーコードネーム・フランケンシュタインは呟き、羽織っている白衣のポケットに入れられた何かのスイッチを押した。
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