命令教室
「お、はよう」


たどたどしく挨拶をして笑みを作るけれど、まだ洗顔もしていない自分の顔を覆い隠してしまいたくなった。


「修くんの寝起き、可愛いね」


隣の香がこそっと耳打ちをしてくる。
私は無言のまま何度も頷いた。
修のこんな姿を見ることができるなんて、やっぱり今回の合宿は参加して正解だった!
朝から私の心臓はドキドキと忙しい。


「目の下にクマができてるけど、眠れなかったんだ?」


修に目ざとく見つけられて思わず目元を手で隠す。


「ちょっと、色々あって……」


もちろん、深夜部屋を抜け出したことや入ってはいけない部屋に入ってしまったことは言えない。


「結構繊細なんだな」


そう言って笑う修にドキドキしてしまう。
自分の顔がカッと熱くなるのを感じていると、廊下の奥から純子と未来のふたりがやってきた。
その後方には充と正志の姿もある。
私は咄嗟に4人から視線を離した。
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