命令教室


短く宣言して扉から出ようとする。
けれどその体はまたも突き飛ばされていた。


「大丈夫!?」


尻もちをついた修にあわてて駆け寄ってしゃがみ込む。


「なにかに突き飛ばされた」


修は自分の肩に触れて呟き、青ざめる。


「私もそんな感覚がした」


それから何度も外へ出ようと試みたけれど、結果はみんな同じ。
強行突破しようとすれば、その分強い力で弾き飛ばされてしまうことがわかった。
誰も外へ出ることができない。


「なにこれ、どういうこと」


いつの間にか小刻みに震えていた自分の体を両手で抱きしめる。
外へ出よう特選している間に外は真っ暗な闇に包まれてしまった。
たとえ今ここから出ることができたとしても、危なくて下山することは難しいだろう。


「とにかく、食堂へ向かおう。少しはなにか食べないとダメだから」


修が囁くようにそう言い、私の手を握りしめたのだった。
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