上司の甘い復讐





再び扉が開き、社長さんが戻ってくる。

それで慌てて姿勢を正す山村君と私。

だけど口の中に放り込まれたお菓子はまだなくなっておらず、バレないように口を動かす。

山村君に至っては、もう隠そうとさえ思っていないようで、


「美味しいです、このお菓子!!」


なんて言いながら、なんと翔太さんのものまで手を伸ばす。

山村君って恐ろしいほど空気が読めなくて怖いもの知らずだ。

だから慌てて、


「や、山村君!

それ、ハゲ崎さんのでしょう!?」


思わず言ったあとで、混乱してハゲ崎になっていることに気付いた。

その瞬間、翔太さんにすごい勢いで睨まれる。

もう、最悪だ!


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