甘さはひかえめで。



「茜くんがいると、安心するんだ…。
でも、今日は茜くん、いないから…」


傍にいないだけで

こんなにも、不安で、心細くなるなんて。


「燿に言われて、思った。
私、茜くん離れできないなって…」

「なんでだよ」

「茜くんに支えられてる部分が大きすぎる」


勉強だけじゃない。

精神面も。


「茜くん、普段は冷たいことも言うけど、
私がつらいときは、いつも優しい言葉をくれるの」

「……そんなの、俺だってできる」

「燿は、いつも意地悪じゃん」


優しいところなんて想像できない。


「……泣きそうになってる乃々に意地悪するほど、そこまで腐ってねぇよ。
だから、今は泣けば?」

「……ありがと。
けど、泣かないから大丈夫」


燿にニコッと笑顔を返す。


茜くんじゃないのに

燿は優しくないのに…


だけど燿の隣は、なんだか安心できたんだ…。



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