Dear.Mother【母の日短編集】


そんなわけで、今日は蒼永の撮影の見学に来ました。
子どもの頃に何度かママの仕事場に来たことあったけど、大きくなってから初めてだなぁ。


「彼が今日のモデルです〜」
「編集長の息子さんですか!?」
「未来の息子よ」
「ちょっとママ!!」
「これがうちの娘」

「あっ…娘の咲玖です。母がいつもお世話になってます…」


スタッフさんたちに「あーー…」みたいな反応されて、ちょっと恥ずかしかった。
もう、ママってば……。


「咲玖ちゃんかぁ!ちょっと見ない間に美人さんになったなぁ。
白凪編集長そっくりじゃないか」


そう声をかけてくれたのは、ママの上司さん。
私が小さい頃に会ったことあるらしい。

申し訳ないけど、あまりよく覚えてない。


「ゆっくり見ていってね」
「ありがとうございます」

「じゃあ蒼永くん、あっちでメイクしてもらってね。
咲玖は待ってて」
「はーい」


ママと蒼永が行ってしまったので、邪魔にならない場所でポツンと立ち見する。

撮影現場ってこうなってるんだぁと興味深いことばかり。
ママはさっきから多方に指示出しをしたりと、とても忙しそう。


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