愛されていないはずの婚約者に「貴方に愛されることなど望んでいませんわ」と申し上げたら溺愛されました
「ノア様、私はノア様の幸せを願っております」

これは本心ですのよ、ノア様。

貴方が幸せになれるのなら、私以外の人と結ばれても許せますわ。

「セレア、話を聞いてくれ…!」

「私はもう話すことなどありませんわ」

私は立ち上がり、屋敷に戻ろうと侍女を呼んだ。

「セレア!」

この時の私は気づいていなかった。

私のこの対応でノア様の態度が急変することを。

まさかノア様が私を溺愛するなど考えてもいなかった。
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