愛されていないはずの婚約者に「貴方に愛されることなど望んでいませんわ」と申し上げたら溺愛されました
「セレア、一曲どうだ?」

ノア様が私に手を伸ばして下さる。

「喜んで」

私はノア様の手を取りながら、いつかはこの手を掴むのが私じゃない女性になるのだと思うと寂しさが湧いてきていた。


「セレアは私のことだけ考えていればいい」


「え?」


「さっきから上の空だろう?」

「そんなことは・・・」

「セレア、ダンスが終わったらバルコニーへ出ないか?話したいことがある」

ノア様に誘われ、私たちはバルコニーへ向かった。
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