主従夫婦~僕の愛する花嫁様~
僕と花嫁様の一日

【キスに溺れる朝】

元執事とお嬢様夫婦、雲英と紅葉。

二人の夫婦生活は、特殊だ。


まずは、二人の経歴を簡単に説明しよう。

空神財閥の愛娘、空神 紅葉。
愛くるしい容姿と、柔らかな雰囲気を持つ……
まさに、姫君その物。

一度パーティーに顔を出せば、声をかけられるほどの容姿端麗という言葉がぴったりな、美しい女性。

そんな紅葉には、幼い頃から想い人がいた。

ここにいる、雲英である。

旧姓・甲斐 雲英。

クールで、容姿端麗な男性。
更に何をやらせても器用にこなす、ハイスペックな男性だ。

俗にいう、スパダリである。

甲斐一族は、昔から空神一族に執事として仕えていた。
そのため、雲英も当然のように生まれたときから仕えることが決まっていた。

紅葉が生まれたとき、雲英は13歳の中学生だった。

雲英は、この出逢いを“運命”だと思っている。


まだ、生まれたばかりの赤ん坊だった紅葉に初めて逢った時━━━━━

言葉にできない、熱い想いが込み上がったのだ。

俺は、この方に一生を捧げる。
この方を俺の全てで愛し、お守りすると………

今思えば………この時から既に、雲英の心は紅葉に奪われていたのかもしれない。

紅葉の心の奥底に棲みつくように、紅葉に尽くす日々。
そのおかげで紅葉の心を掴み取り、二人は交際し、紅葉が大学を卒業した今年の春━━━


雲英が空神家に婿養子として入り、二人は籍を入れたのだ。




そんな雲英と紅葉の夫婦の物語━━━━━━



< 1 / 99 >

この作品をシェア

pagetop