主従夫婦~僕の愛する花嫁様~
紅葉がトイレに入ると、トイレのドア前に立って待つ。
洗面台で顔を洗えば、タオルを持って横に立つ。

そして、ダイニングに向かう紅葉。
ダイニングチェアに座る前に、雲英がスッと紅葉を追い抜き椅子を引く。

紅葉の行くとこ行くとこ付いていき、ひたすら世話をするのだ。


「ありがとう!」
微笑み椅子に座ると、雲英も微笑んだ。

雲英が朝食をセッティングする。

「美味しそうね!
さすが!甲斐ね!」
「フフ…紅葉様にそう言ってもらえると、今日も頑張れます!」
雲英も向かいの席に座り、嬉しそうに言った。

紅葉が「いただきます!」と言って、食べ始める。
雲英は、しばらくそれを眺めてから食べ始めた。

「ん!この鯛の煮付け、美味しい!」
「良かったです!
あ、ちゃんと骨は取り除いてますが、気をつけて召し上がってくださいね!
万が一ということがありますので!」

「えぇ。
フフ…ほんと、美味しい!
でも甲斐のお魚の煮付けは、何故か食べれるのよね!
不思議……」

「そんなの、当たり前ですよ!
僕は、紅葉様の為にお作りしてます!
紅葉様しか、お口に合いませんよ?」

「……/////」
紅葉を見据えて言う、雲英。
紅葉は思わず、顔を赤くするのだった。


「━━━━甲斐、美味しかったわ!
ご馳走様!」
「お粗末様でした。
お口に合って良かったです!」

食べ終わった食器を運ぼうとすると、すかさず雲英が言う。
「紅葉様、その必要はありません。
そのままで!」

「でも、キッチンまで運ぶくらい……」

「いえ!貴女がそこまでしていただく必要ございません。
それよりも、お洋服に着替えないと!」

「甲斐」

「はい」

「私達の関係は、何?」

「夫婦です!/////」
顔を赤くして答える、雲英。

「でしょ?」
「はい」

「だったらもう、甲斐は私のお世話しなくていいのよ?」

「しかし、紅葉様の身の回りのことをする。
これは、僕にとっての至福の時間です!」

「甲斐…」

「紅葉様、貴女にプロポーズした時にお伝えしましたよね?
貴女にはずっと…僕の傍にいて、僕に守られて、僕に全てを委ねていていただきたい。と」

「えぇ。確かにそう言ってたけど…」

「ですから紅葉様は、お仕事を頑張っていただければそれで……!
あ、もちろん!
僕が“全て”行っても構いませんから、その時はおっしゃってください」

「ん?全てって、どの全て?」

「全ては、全てです。
紅葉様の身の回りお世話、家事、仕事。全てです!」


「あ…その必要はないわよ……」
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