ルルは 風の なかへ
第八章 耐性
 ルルが、
ジェニーを賢い、
と感じたエピソードが

他にもあります。


 ある日。

珍しく、
男性のお年寄りのお客が、
ありました。


例のごとく。

いつも通り、ジェニーがおぶうと、
お年寄りはしばらく。
おとなしくおぶわれて
いましたが。


 何が気に入らなかったのか、
急に
服の上から、
ジェニーの乳房を掴みました。


隣でルルが、アッと驚いていると、
ジェニーは一言。

「柔らかいだろ」

とだけ、
言いました。


はらはらしているルルの前で、
ジェニーは。

再びお年寄りに、

「怒って。

 そうして許してほしかった
 んだろ。」


もういいよ、
とジェニーは言いました。


 背中でお年寄りは
黙ったまま。
泣いているよう、でした。

その
泣いているようなお年寄りを、
ジェニーも、黙って。

部屋まで送り届けました。
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